本のコト

主人公は50人の人々。


【本のコト】フィフティ・ピープル - チョン・セラン(著) 斎藤真理子(訳)

普段は小説からエッセイ、ビジネス書や化学系の論文をまとめた本など。

雑食読みな私です。

 

ご紹介したいのは韓国のチョン・セランの小説『フィフティ・ピープル』です。

SNSでこの本の宣伝を見て以来、何故か頭からこの本の事が離れず、何かメッセージがあるような気がして手にした一冊でした。

 

主人公は50人の同じ街に暮らす人々。

お互いの生活が少しづつ重なり合い、繋がっていく。50人の視点を切り替えながら進むお話は、読み進める事に感情移入をするというよりは、どんどん街や人から離れ俯瞰するような感覚を覚えました。

当たり前の事ですが、働いている日も、このブログを書いている今も、家族や友達にはそれぞれの時間が流れていて、知らないところで友達同士の人が居たり、知らないところで自分の話題が出ていたり。そういう日常は淡々と流れているんだなと。この小説を読んで考えたりしました。

お話は、50人の物語が1点に向かい収束し、クライマックスを迎えるというよりは、静かにペースを淡々と保ちながらフェードアウトするイメージ。舞台が病院を中心に動いている事もあり、時々描写がグロテスクなシーンも。50人の主人公、それぞれの物語は、悲しさや、笑いや、愛しさ、感情で溢れているのですが、全体を通すと、俯瞰視点で大きい流れの中からそれぞれの人生を覗いているような感覚。そんな事を思いました。

 

韓国の小説という事もあり、読んでいて登場人物の名前が覚えられなくなりました。目次に全登場人物の名前と顔のイラストが載っているので、そこをチラチラ見ながら少しづつ読み進めるのがおすすめです。

 

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