今回の記事はインテリアコーディネーターとしての納品事例のご紹介です。
新築のお客様宅にリビングとダイニングの家具をご提案、納品させて頂きました。今回の記事では、この納品した家具のデザインやコーディネートのポイントについて詳しくご紹介したいと思います。
ナチュラルだけど、スッキリ&スタイリッシュに。
『ナチュラルな家具』このワードだけを聞くと、可愛い雰囲気というか。ほわッとした雰囲気を思い浮かべる人も居ると思うのですが、今回のコーディネートは違います。ナチュラルカラーな家具で揃えながらも、スタイリッシュにスッキリと見せているのがポイントです。
SINK DINING TABLE / CRUSH CRASH PROJECT
ダイニングテーブルはCRUSH CRASH PROJECTの『SINK DINING TABLE』
無垢のオーク材の天板にスチール脚が伸びるシンプルなデザインです。最小限なデザイン要素のみで構成されています。
天板の厚みは35mm。無垢材を使用した天板で35mmというのは厚めだと思います。しっかりとした存在感を持っていますね。天板の長さは180cmあります。
脚は細めにデザインされているので、とてもスマートでスッキリとして雰囲気に。四隅に脚が付いたデザインは脚間も広いので、座った時にストレスが無いのも良い点です。
そして、もう1点。デザインの肝となっているのが、天板と脚の取り付け部にあります。
脚にはネジ留め用のプレートが付いています。そのプレートが浮き出ないように天板が、プレートの厚み分天板がくり抜かれているんですよ。取り付けると埋め込まれたようにフラットになるという。
それによりこのデザインが持つスッキリ感が強調されているなと思います。
この細部、些細な仕上げにコストをかけてこだわっているのが、とても良いなと。ここを妥協しないだけでテーブルの持つ雰囲気は大きく変わると思います。
天板の表面はオイル仕上げとなっているので、傷が付いたとしてもある程度であればやすりがけをしてオイルを塗り足す事で補修が可能となっています。サイズは135〜180cmから選ぶことが出来ます。
▷CRUSH CRASH PROJECT公式オンラインストア『SINK DINING TABLE』
▽オイル仕上げのメンテナンスや汚れ取りについてはこちらの記事でも紹介しています。
AREN CHAIR / NO WEHER LIKE HOME
テーブルに合わせたチェア。NO WEHER LIKE HOME『AREN CHAIR』。
オークの無垢材のフレームにPVCレザーの座面を合わせたチェアです。ハーフアームという種類のチェアとなっています。前脚が肘掛けに繋がるのではなく、背もたれが回り込んで肘掛けとしても使えるようになっているデザインですね。
肘掛けも使えるけれど、座った時には足を広げることも出来るので、動きやすさは損なわ無いという。機能性と機動性を持った、良いとこ取りなチェアとなっています。背もたれを支えるスポークが斜め後ろに伸びている点も、座面の開放感が出るように考えられてデザインされていますね。
座面のPVCレザーは落ち着いたベージュに近いブラウン色。オーク材と馴染むこのブラウン色が品が良く落ち着いた印象を作っていると思います。座面にはダブルのステッチが十字にデザインとして入っています。もちろんステッチの糸も座面に合わせた色となっています。
▷NO WEHER LIKE HOME公式サイト『AREN CHAIR』
MANTA CHAIR / NO WEHER LIKE HOME
向かい側に置いたチェアはNO WEHER LIKE HOME『MANTA CHAIR』。
こちらのチェアは先程紹介したAREN CHAIRとは違い、完全なアームチェアとなっています。深く座れる座面は椀型に湾曲していますので、お尻の当たり具合も考えられたものとなっています。
背中が当たる部分が幅広にデザインされていて、座りやすさを考えたデザインとなっていますね。手の形にフィットするよう、手すりには丸みも付いています。
ゆっくりくつろぎたい時はこちらのアームチェアに。というイメージですね。
アームチェアだと、どうしても肘が付く分体積的に大きくなってしまいます。
少しでもスッキリ見せるデザインの工夫として、脚と背の接合部の細さがあるのかなと思います。この繋ぎ目がキュッと細くなっているだけでも、少しスッキリとした印象になりますよね。
座面はAREN CHAIRと同じ色、素材のPVCレザーです。椅子のデザインが違くても、座面が一緒のカラー、素材だと統一感が出ますよね。
▷NO WEHER LIKE HOME公式サイト『MANTA CHAIR』
動線側をハーフアームチェアにする事で歩きやすく
この2種類の椅子。配置にもこだわりがあります。
写真の左側が玄関などに向かう動線となっています。こちらをテーブルに収納しやすいハーフアームのAREN CHAIRにする事で、より動線を広く使えるよう狙っています。
GROSSE TV BOARD 220 / LEGNATEC
テレビボードにはLEGNATECの『GROSSE TV BOARD 220』
こちらもダイニングや他の家具に合わせてオーク無垢材を使用したテレビボードとなっています。天板にも引き出しの前板にも無垢材を使用。『木の塊』という表現がぴったり合うようなテレビボードだと思います。
引き出しの前板と天板の合わせ部分は『留め加工』呼ばれる仕様になっています。斜め45°同士がぴったり合うことで、エッジに1本の線がピッと走るという。この仕様がとてもスタイリッシュで、スッキリとした印象を作る為のとても大きなデザインの要素となっています。この凜とした感じ、良いですよね。
引き出しは少し強く閉めても、途中からゆっくり閉まるような金具が採用されています。この上品な使用感も良いんですよね。
さらに。中央はデッキ収納部となっているのですが、ここのフラップパネルぱガラスに薄くスライスしたオーク材を貼り合わせた仕様となっています。これによりパネルを閉じた状態でも、リモコンの赤外線が通るようになっています。これ凄くないですか?
デッキの収納スペースは隠し生活感は消せるのですが、機能性は失わないという。
デッキの厚みに合わせてダボの位置を変えて、棚板の高さを変更することも出来ます。
存在感はあるのに、デザインの要素を削ぎ落としてキュッとミニマムにまとまっているこの感じ。フリーザ最終形態のような美しさがあります。
サイズは160〜240cmまで選べるようになっていまして、今回ご紹介しているサイズは220cmです。
▷LEGNATEC公式サイト 『GROSSE TV BOARD』
Connie sofa / SIEVE Address
ソファにはSIEVE Addressの『Connie sofa』
座面高の低いロータイプのソファとなっています。ロータイプのソファは視点の位置が下がるので、部屋を広く見せることが出来るのが特徴です。
サイドにフレームにはオークの無垢材が使われています。脚はスチール素材。ロの字に付く黒い脚は、浮遊感も感じるデザインとなっています。
▷SIEVE Address公式サイト『Connie sofa』
こちらのソファに関しては以前にも詳しく紹介したことがありますので、ぜひこちらの記事も合わせて読んでもらえたらと思います。
SINK COFFEE TABLE / CRUSH CRASH PROJECT
リビングテーブルには CRUSH CRASH PROJECTの『SINK COFFEE TABLE』。
ダイニングテーブルと同じデザインのリビングテーブル版ですね。やはりリビングテーブルでも脚の接合部はスタイリッシュに。スッキリとしたリビングテーブルです。
KAPELL CHAIR / NO WEHER LIKE HOME
備え付けのカウンターデスクに合わせたチェアはNO WEHER LIKE HOME『KAPELL CHAIR』
細いスチールフレームにオーク材の曲木による背もたれ。ファブリックの座面が体重を支えます。細いフレームにより、とてもスッキリとした印象を持ったチェアだと思います。このチェア、見た目から感じる印象以上に座りやすいですよ。背もたれのカーブがちょうど良くて絶妙なホールド感があります。
▷NO WEHER LIKE HOME公式サイト『KAPELL CHAIR』
アクセントになる古家具が良い感じ
お部屋に置かれた古いミシンや、時計を置いている古いチェア。お客さまがお持ちの物だったのですが、新旧なアイテムが混ざるこの感じ。凄く良いアクセントになっているなと。バランスが良いですよね。
特にミシンの持つこのプロダクトとしての力強さ。
新しい物の中にこうした古い道具を混ぜるのもおすすめです。差し色ならぬ、『差し古』のような感じで使えるなと。キュッとコーディネートのバランスを引き締める効果があると思います。
おわりに
という感じで、納品させて頂いた家具とコーディネートのポイントをご紹介してみました。ナチュラルなカラーリングの家具でもデザイン細部の要素にこだわって揃えていくと、シンプルでスタイリッシュな空間が作ることが出来ます。
ウォールナット系のスタイリッシュスタイルと違い、オーク材のナチュラルで明るめなカラーですと雰囲気が重くなり過ぎないのが良いですよね。
ぜひ家具選び、コーディネートの参考にしてみてください。