今回の記事はインテリアコーディネーターとしての納品事例のご紹介です。
東北ミサワホームさんの北上市ときわ台に出来ました分譲物件の家具のコーディネートを担当させて頂きました。
記事内で、納品した家具やコーディネートのポイント。建物の魅力をご紹介しますのでぜひごらんください。
東北ミサワホーム 北上エルシアNO.14
という訳で今回ご紹介しますのは、岩手県北上市ときわ台に出来ました東北ミサワホームさんの分譲物件【エルシアNO.14】です。
北上市は盛岡から約50kmほど南下した場所にあります。
今回の物件で東北ミサワホームさんの北上でのコーディネートは4棟目となります。
これまでのコーディーネートについても、それぞれまとめていますのでぜひチェックしてみてください。
コンセプト / あえて『少し抜け感のある家具』

ウォールナットの床にシックな印象のチャコールグレーのアクセントクロス。

落ち着いたトーンで構成された室内。壁付けのテレビボードも、ブラックガラスが前面を覆うシンプルなデザインの物がセレクトされています。
テレビボードが壁付けで浮いていると、グッとモダンな印象が強まりますね。
グレーのアクセントクロスの壁面に付いたウォールナットの飾り棚もシャープな印象を惹きたてます。斜めに差し込む日差しが良い感じです。
今回は、このスタイリシュでモダンな雰囲気の空間に、あえて『少し抜け感のある家具』をセレクトしました。
『カッコいいのに、どこか肩の力が抜けたようなラフさと開放感』を感じる。そんなコンセプトの家具選びとなっています。
リビング
まずはリビングの家具からご紹介します。
Karla sofa / SIEVE

リビングに合わせたソファはSIEVEの『Karla sofa』
『コーナー』『一人がけ』『オットマン』を組み合わせることで、色々なスタイルのソファを作ることが出来ます。
今回はそれぞれを1つずつ置き、カウチソファのスタイルを作っています。

グレーの座面にベージュの背クッション。今回のお部屋のアクセントクロスのグレーとも非常に相性の良いカラーリングだと思います。

この組み合わせですと、長手で2210mmの長さがあります。
座面の奥行きもあり、横になっても充分なスペースがありますので、ベッドのように使うことも出来ます。

ソファフレームには細めのアイアン。フレームの縁にはオーク材が使われています。
アイアンのフレームのみだと、スタイリッシュな雰囲気に寄りすぎてしまいがちですが、少しオーク材の明るい色がフレームに混ざる事で、良い意味でバランスが中和してあるようなソファデザインだと思います。

今回は片側の背もたれや、肘が無い形状の『カウチスタイル』もポイントです。
片側が無いだけで、開放感が生まれるんですよね。カウチスタイルのソファですと部屋も広く感じます。コンセプトである『抜け感のある家具』はこの形でも表現しています。
karla center table / SIEVE
リビングテーブルにはソファと同じく『SIEVE』の物をセレクトしています。
このテーブルのセレクトにも空間を広く感じさせるポイントがあります。

『karla center table』は60cm角のセンターテーブル。この寸法は、一般的な家具ではあまり無い寸法になります。単体で置くには少し小さい規格です。なので、ソファの前に単体で置くとアンバランスに見えてしまいます。
ですが、今回はあえてこのサイズのリビングテーブルをセレクトしました。

ソファのセンターには置かず少しずらして配置しています。
このように置くことにより、ソファ前に空間が出来きて、とても広く感じさせる効果があるんですよね。
ですが、端に寄せたセンターテーブルのみですと、実用性も損なわれますし。それでもまだアンバランスに見えてしまいます。
Ellen side table / SIEVE
そこで『Ellen side table』を組み合わせることで、使い勝手や見た目のバランスも調整しています。


開放感がありながら、使い勝手も良い。というスタイルですね。

『Ellen side table』はソファに差し込んで使えます。オットマンに合わせても良いですし、中央に寄せて使うのもアリですね。
LUMIE 160×230 / MORIYOSHI

ラグにはモリヨシというメーカーの『LUMIE 160×230』というラグをセレクトしています。
通常のラグサイズは『140×200mm』という企画が一般的です。
ただ今回のラグサイズは『160×230mm』です。
このサイズバランスも今回のコーディネートのポイントです。
ソファサイズが長手で2210mmあることもありますが、さらにテーブルの配置が変則的にしていることもあり、『140×200mm』のラグサイズだとアンバランスに見えてしまうんですよ。
一回り大きめのサイズ『160×230mm』で合わせることで、ソファ前のスペースも強調されますし、それにより開放感もより演出されます。
全てのカラーやデザイン、サイズのセレクトが『開放感』を感じさせるように選んでいます。
少しラフな雰囲気を持った家具だとしても、今回のスタイリッシュでモダンな空間が引き締めてくれますので、独特の雰囲気に仕上がったなと思います。
ホテルのロビーのようなラグジュアリー感もありながら、堅苦しくは無い。そんなバランスを狙えたと思います。
ダイニング
LEDA DINING TABLE / NO WEHER LIKE HOME

ダイニングに合わせたのは、一枚板のような見た目の『LEDA DINING TABLE』
今回はソファやリビングテーブルにオーク材を使用しています。LEDA DINING TABLEはウォールナット材のブラウン色でありながら、端は明るいナチュナル色が入っている2トーンな仕様です。
この明るいナチュラルカラーがダイニングにも少し入ることで、空間の『繋ぎ』のような役割を果たしてくれます。少し色が入るだけで空間が馴染むんですよね。
DINING CHAIR KAPELL / NO WEHER LIKE HOME

ダイニングチェアにはテーブルと同じく『NO WEHER LIKE HOME』のチェア。『DINING CHAIR KAPELL』を合わせています。

オーク材の曲げ木による背もたれ。

座面はグレーのファブリックのクッション仕様です。

実は、今回のお部屋は全体に使われているクロスが『淡いグレー色』なんです。白では無く、若干のグレーが入っているクロスです。
そのグレー色が、空間の全体の雰囲気をとても引き締めてくれています。チェアの座面のファブリックのグレーも、そのクロスと馴染み、すごく良いカラーバランスだなと思います。
リビングのソファやテーブル。ダイニングにアイアンスチールが入っているものを選んでいるのもポイントです。共通素材を使うことで、1つの空間として繋がりが生まれるんですよね。
ちなみに、本来は『DINING CHAIR KAPELL』が4脚での予定でしたが、納期が間に合わず、2脚のみとなっています。のちほど、交換し4脚同じデザインで揃える予定です。


納品した日、岩手に大雪が降った後のタイミングでした。ダイニングの窓から見える木々に積もった雪の感じも良い雰囲気だなと。窓が正方形の額縁のようですね。
『カッコいいのに、どこか肩の力が抜けたようなラフさと開放感』

という感じで、リビングとダイニングの家具をご紹介してみました。
サイズ感や、配置にこだわり、『カッコいいのに、どこか肩の力が抜けたようなラフさと開放感』を演出しています。
もちろん、スタイリッシュな空間に、スタイリッシュな家具を置くのも良いのですが。今回みたいに、少し崩してラフなスタイルに寄せてみるのも面白いですよね。
置く家具で、空間の雰囲気は随分変わるので、家具って面白いんですよ。
キッチン


続いて、リビングとダイニング以外の場所もご紹介していきます。まずはキッチンから。
キッチンもカッコいいです。黒い大理石の天板。モダンな印象の蛇口が映えます。


IHのコンロ。全てのセレクトにスタイリッシュな要素を感じますね。無駄がなくてカッコいいです。
サニタリー

洗面所やお風呂回りも、リビングの雰囲気がそのまま繋がり、スタイリッシュな雰囲気です。

お風呂場にもグレーのアクセントタイルが使われています。
和室


2階への階段を上がった先には、和室があります。

ライトグレーの畳がクールでカッコいいですよね。
家全体として、『グレー基調』の方向性が決まっていて、コンセプチュアルで素敵だなと思いました。

和室には大容量の収納もありますよ。
子供部屋と寝室


2階には子供部屋と寝室があります。

それぞれの部屋の天井が高く作ってあります。少し天井が高いだけで、とても開放感がありましたよ。

どのお部屋でも共通したウォールナットのフローリングが使われています。
シックでカッコいい雰囲気ではあるんですが、天井が高く開放感があったりと、どこか柔らかさも感じるような家だなと感じますね。
リモートワークを考えた家づくり
最近はコロナウィルスの蔓延もあり、自宅でのリモートワークも増えていますよね。
まだまだどうなるかわからない状況です。そんな背景もあり、今回の物件にはリモートワークが出来るスペースが2箇所用意されています。


リビングから繋がるスペース。収納庫としても使えますが、机としても使えるように設計してあります。リビングから繋がった場所に、こうしたスペースがあるのは嬉しいですよね。
もちろん扉も付いていますので、簡易的にこもることも可能です。



もう1つは寝室から繋がるスペースに。
こちらは擦りガラスの向こうにあります。集中してこもりたい時は、こちらのスペースが良いかもしれませんね。

ちなみに、もう片方の擦りガラスのスペースはウォークインクローゼットとなっています。
時代に合わせて家の在り方も変化していきますね。

リモートワークスペースの他にも、『玄関からそのまま繋がる手洗い導線』『宅配BOXスペース』など。現代の需要に合わせた機能も家つくりに盛り込まれていますよ。
まとめ

という感じで、東北ミサワホームさんの北上市ときわ台の分譲物件【エルシア NO.14】についてご紹介しました。空間と、しつらえる家具で雰囲気っていかようにでもチューニングが出来ますので、面白いですよね。
コーディネートや家づくりの参考にしてもらえたら幸いです。
実際に北上市でお家を探している方。今回の家具付きで販売されますので、ぜひチェックしてもらえたらと思います。
詳しくは東北ミサワホームさんのサイトへのリンクを貼りますので、そちらからご確認ください。
▷記事内で紹介した家具