三月に入ったとある日。私はロフトに向かった。毎年買っているほぼ日手帳を購入する為だ。なんだかんだ価格は高いけれど、なんだかんだ使い勝手が良い。結局使う手帳は、ほぼ日に落ち着いてる。
ちなみに手帳は4月始まりの物が好きだ。
日本人だし、4月は1つの節目と。どこか感じている。
カバーはブラックの物を持っているから、買うのはいつも手帳本体のみ。
ほぼ日手帳が売っている盛岡のロフトは川徳という百貨店の6階にある。いつのものようにエスカレーターで百貨店を上がり、売り場を目指す。新型ウィルスの影響か、三月のこの時期なのに百貨店の中は閑散としている。
エスカレーターを乗り継ぎ、目的のほぼ日手帳売場へ。
ちなみにほぼ日手帳のカバーは毎季、新しいデザインの物が発売される。でも、私はブラックのカバーを持っているのだ。その年のカラフルなカバーやアーティストの絵が書かれたカバーを横目に、手帳本体を買うのが習慣だ。それが毎年のルーティン。
その時の事だった。
『おちつけ』

えっ、なんだこの感覚。唐突に目に飛び込んできた強烈なメッセージ。
カバーの表紙に流暢な筆文字で書かれた『おちつけ』
時が止まった。
この時、私の心はこの『おちつけ』と書かれたカバーに捉えられていた。売場の照明は落ちて、周りは暗くなり。私と、この『おちつけ』と書かれたカバーだけにスポットライトが当たっているようなフィーリングに包まれた。
『おちつけ』
たった4文字なのに、なんて破壊力のあるパワーワードなんだ。豊かで寛容な言葉の広がりを感じた。圧倒的だ。そして今のこの世相、時代に必要な言葉はこれなんじゃないか。
『おちつけ』
気がついたら私は、『おちつけ』と書かれたカバーと手帳本体のセットを手に取っていた。
これは良い物を見つけたぞ。と、浮き足気味でレジへ向かう。
『おちつけ』
足が止まった。
ちょっと待て。まさに今、自分の心は落ち着いているのか?脳内でリフレインする『おちつけ』という得体の知れないパワーワード。
そもそも、手帳の本体だけ購入するんじゃなかったか、お前?
興奮して衝動買いしようとしてないか?
私は落ち着いていないのか?動揺している?
否。落ち着いている。大丈夫だ。うん、大丈夫だ。
『おちつけ』
そう。おちつくんだ。
そもそも落ち着いているとはなんだ?どういう状態の事だ?
謎の自問自答を繰り返した。
明らかに落ち着かぬ心の有り様で。
そんなこんなで、結局買って持ち帰ってきたのが、今回ご紹介する『ほぼ日手帳・おちつけカバー』です。
2020年・春の『おちつけ』ほぼ日手帳

という訳でこちらが新しく新調したほぼ日手帳。2013年にほぼ日手帳を初めて買って以来ずっと黒いカバーを使っていたのですが、7年振りにカバーごとの買い替えになりました。
そもそも『ほぼ日手帳』とは?

ほぼ日手帳はコピーライターの糸井重里さんが手がけている手帳の事です。ジブリのキャッチコピーでおなじみな糸井重里さんですね。
2001年の発売以来、根強いファンが広がり続けています。
『おちつけ』と書かれたカバー

冒頭にも書きましたが、ほぼ日の手帳のカバーは毎年毎年、色々なデザインが発売されます。
カラフルなカバーはもちろん、松本大洋さんのコラボカバーや、ゲームのMOTHERのイラストのカバーなど。バラエティに富んだラインナップです。

今回購入した『おちつけ』と書かれたこのカバー。書家の石川九楊さんが書かれた文字なんだそう。
普段は、基本的に文字などが入っていないデザインの方が好みなのだけれど、これは例外でした。
この『おちつけ』の書体と言葉のパワー。一休さんの『焦らない、焦らない』に通ずる、このフィーリング。ちょっと良いですよね。
仕事でトラブルが起きた時など、頭の中で色々と考え過ぎて、プチパニックになる事が時たまあります。
そんな時に、この『おちつけ』という文字がふいに飛び込んできたなら。深呼吸付けそうな気がしてきます。
少なくとも、頭の中で『おちつけ』と唱える事が出来る。

手帳は必ずどこにでも持ち歩き、毎日見る物だから、常に『おちつけ』と一緒にいる感じ。お守り的な安心感があってとても良い。心穏やかに過ごせそうであります。
カバーのコットンの手触りが良い
『おちつけ』カバーの素材はコットン製。非常に手に馴染みます。

これまで使っていたカバーはポリエステル製でしたが、やはりコットンの方が手触りは良いですね。

一澤信三郎の帆布の筆入れとも、相性がとても良い。
綺麗な使い方はしてないけど、それでもほぼ日な理由
私はほぼ日手帳を長年愛用していますが、オフィシャルサイトにあるような見せれるような綺麗な使い方はしていません。
基本的には仕事用なので、打ち合わせ内容やメモを殴り書き。
そんな使い方をしていても、やっぱりこの手帳を毎年使いたい理由がいくつかあります。
ほぼ日手帳のカバーには栞が2本

ほぼ日手帳にはカバーに栞が2本付いています。四角い栞と三角の栞。
この2本ある栞がとても便利です。


1本は、月間の予定ページに挟んでおいて、もう1本は今日のページに挟んでおく。
そうすると、いちいちページを探す手間がかからず便利です。
ちなみに、ほぼ日手帳には1日1ページごと365日分あります。
ペンを挟むと手帳も閉じる

ほぼ日の手帳にはペンホルダーも2個付いていて、写真のような感じでペンを通すと手帳を閉じる事が出来ます。

こうしておけば、鞄の中で手帳がいつの間にか開いていて、気づいたら中のページが折れていた。という事もまず起きないです。
しかも手帳を使いたい時は、いつもペンが側にある。実にスマート。
ページが辞書みたいな素材
365日分のページがあるのに、思ったより分厚く無い。これもほぼ日手帳の特長です。
これは、ページが辞書に使われている紙で出来ているからなんだとか。


とはいえページは薄いので、書き込むと表裏でうっすら透けます。でも、文字を読み取れないくらいの絶妙な透け感なのでさほど気になりません。

以前に書いたメモ探す時も、辞書をめくる感じで1枚1枚ページが指に吸い付いてくる感触もあります。
毎日コラムが載っている

1日1ページの下の欄には、『今日の一言』が載っています。何気なくみていると、たまに響く言葉が書いてあったりして面白いです。
日めくりカレンダー的な楽しみ方が出来ます。
この他にもほぼ日手帳には細かいこだわりが詰まっていて、色々な楽しみ方があるのですが、個人的に気に入って毎年使っている理由はこの辺り。今年からは『おちつけ』の文字もお気に入り理由に仲間入りですね。
オフィシャルホームページの情報がとても詳しいので、使い方などぜひチェックしてみてください。
まとめ

という感じで、今年のほぼ日手帳は『おちつけ』カバーで新調したよ。というご紹介でした。手帳にしてはちょっと高いな。という値段だとは今でも思うけど。それでも使いたくなりような魅力のある手帳だと思います。
『おちつけ』
このカバーを見る度に、一息落ち着こう。
ちなみに、ほぼ日ストアでは『おちつけ』シリーズの商品が他にもあるみたいです。キーホルダーやマグカップなど。日々に『おちつき』が欲しい方には大変オススメであります。