本のコト

SUMUROの本棚2020年2月号

最近の読んだ本をご紹介していくSUMUROの本棚。

前回更新してから読み終えた本も溜まってきたので、ご紹介していきます。


SUMUROの本棚2020年2月号

カフェがなくなったら… / 市川 草介

『ぼくがスタバが大嫌いな理由』という衝撃的なキャッチコピー。本のタイトルよりも先にこのコピーが目に飛び込んできます。この本は、北海道に数店舗展開するコーヒー店『森彦コーヒー』を営む市川さんが書かれています。

今の時代でこそ、町から外れ人里離れた山や森の中、あるいは街の中でもメイン通りでは無い裏路地。そいういったいわゆる『へんぴな所』にカフェや個性的なショップがある事が特別な価値として浸透していると思います。

本の著者である市川さんは1990年代にそんな視点で札幌の裏路地に『森彦コーヒー』を作った方です。例えば、雑貨店やインテリアショップでオシャレなパッケージのコーヒーを売る。という事も今は当たり前になっていますが、それも、この『森彦コーヒー』が先駆けなんだとか。

『カフェ』が街にある事の意味や、『コーヒー』を仕事にする事の意味。そんな事についても深く考えられていて、もはや哲学書のような印象すら感じます。

『山の奥の自然が豊かな所のカフェ』の経営って憧れちゃうよねー。と、ついつい口走ってしまいますが、現実はお店を作った時点で、それは『利益との戦い』でもある。

そんな理想を目指す為のビジネス。という視点でもしっかり書かれていて、一人の経営者としての本としても非常に面白い。

将来、個人店を営みたい人や個性的な何かをしたい人には、何か得るものがある本なのかなと思います。

SUMUROの本棚2020年2月号

写真も多くビジュアルも綺麗です。

僕の人生には事件が起きない / 岩井勇気(ハライチ)

お笑い芸人のハライチの静かな方。岩井さんのエッセイ本です。岩井さんは、このエッセイまで文章を書いた事は無いそうなのですが、そうとは思ぬほどに非常に読みやすい文体だと思います。

松尾スズキさんやアジカンのボーカルの後藤正文さんが書くような文体に近いかも。

特に後半にかけて、どんどん文章が上手くなり、内容もどんどん内省的になっていくのも読みどころ。一人の人間が文章を書く事で、感情を豊かに開放するプロセスを追体験するようで面白いです。

普段、本を読まない人でも読みやすいんでは無いかなと思います。

こんな感じの少し肩の力が抜けた文章を書けたらなと。目標にもしてしまいます。

ラストレター /  岩井俊二

映画『ラスレター』を見たのですが、その流れで原作小説も読んでみました。原作では兄弟設定が映画とは変わっていていたりと変化があり、違った視点で楽しめる内容でした。

映画の内容には触れませんが、映像がとても綺麗で綺麗で。良い映画でしたので、おすすめです。

余談ですが、私は邦画の方が昔から好きなのですが、それは作り手も見る側も『日本人同士』だからこその表現があるからなのかなと。この映画を見ながら思いました。

文化やカルチャーの一般教養みたいな物が共通しているからこそ、微妙な表情変化や目線、言葉の抑揚のニュアンスに気付けるのかなと。

ラブレター / 岩井俊二

という訳で、一度ハマると、とことん突き進むタイプの私は同じく岩井俊二さんの『ラブレター』も小説で読みました。

映画の方は見ていないのですが、小説を読んでいても『ラストレター』との共通点も多く、この二作品は『対』になっているような作品なんだなと。

非属の才能 / 山田玲司

漫画家、山田玲司さんの新書本です。タイトルの通り『非属の才能』何かに属さない事をただただ応援、そして肯定してくれるような本です。

私もフリーランスという立場。基本は一人なので非常に励まされる内容でありました。

『自己肯定感』と言ってしまえばそれまでですが、『失敗』する事の有用性や価値をとにかく説いてくる内容です。

学校では『失敗しないように』と育てられがちですが、成功している人は必ず沢山の失敗をしている。それは裏を返せばそのくらい挑戦してきたという事なんですよね、当たり前ですけど。。

もっと色々挑戦してみたいなーと。読み終えた時にはそんな気持ちになっていると思います。

ちなみに私は、著者の山田玲司さんがMCを務めるネット番組『山田玲司のヤングサンデー』をいつも見ています。山田さんは喋りが異様に面白く、老いたムロツヨシみたいな感じな印象を受けると思います。カルチャーや映画、漫画やアニメを独自の視点で分析していてとても面白いですよ。

お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください /大河内薫

現在進行形で進む春のイベント確定申告。私も去年独立したので、初めての確定申告にあたふたとしています。おそらくフリーランスの確定申告について書かれた本の中で1番有名なのではないでしょうか。

税金に関して全て『漫画』で、でも内容は濃く書かれています。

とりあえず2月中にはしっかり税務署に提出出来るよう頑張りたい。

まとめ

SUMUROの本棚2020年2月号

という感じで、最近読んだ本をまとめてみました、本選びの参考にしてもらえると嬉しいです。

今回のラインナップで万人におすすめ出来るのは岩井勇気さんの『僕の人生には事件が起きない』ですかね。

また読んだ本が溜まった頃にSUMUROの本棚、更新します。



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