先日このブログで『IKEAのスツールはリプロダクト製品だ』とご紹介しました。今回はこの『リプロダクト』について、メリットや、製品を選ぶ上で気をつけたい点など。もう少し深く考えていきたいと思います。
最近だと、ネットショップなどでも検索すると『リプロダクト』・『ジェネリック家具』といったワードを良く見かけます。
リプロダクトとは
意匠権の切れた製品を復刻生産した製品の事です。意匠権を登録した製品でも20年後には版権が切れますので、それ以降であれば、だれでもオリジナルを生産する事が可能となっています。
本物を参考に模倣して作りますので『模倣再現』という表現が正しいかもしれません。簡単に言えば、オリジナルのデザインを限りなく真似て作った製品だと言えます。
やってる事はコピー品を作っている事に変わりは無いと思うのですが、法律的には『違法』ではありません。
リプロダクト製品の特徴

例えば写真のイームズチェア。誰しもが1度は見た事のあるデザインの椅子だと思います。このイームズチェアのリプロダクトも多く出回っています。
リプロダクトの特徴としては、圧倒的に価格が安いです。
価格が安い理由としては、デザインをする経費が発生していない事。オリジナルとは違う素材を使っている事などがあり、基本的にはコストを極力さげ作られる事が多いです。
リプロダクト製品のメリット
オリジナルより安い価格で、オリジナルのようなデザインが手に入ること。
メリットはこれに尽きると思います。
物によってはオリジナルの1/10以下の値段で販売されている製品もあります。
リプロダクト製品を選ぶ上で気をつけたい点や、知っておきたい点
さて、安価な価格でデザイナーズ家具を買えるって最高じゃん。と思ってしまいそうですが、リプロダクト製品を選ぶ上で気をつけたい点などはいくつかあります。
作ってる工場やメーカーはバラバラ
これも当然と言えば当然ですが、リプロダクト製品は作られている工場はバラバラです。出回っているリプロダクト製品の数だけメーカーや工場があります。
ネットショップなど販売されている商品の画像だけを見ていると、リプロダクト製品は同じデザインでも沢山あり、どれも一緒に見えてきます。
ですが、これらは全て作りや素材は別物です。同じように見えてもクオリティには差があります。
リプロダクト製品の中でも価格差があります。
メーカーによって価格設定もまちまちです。購入する際には、使われている素材や、質感や製品表記など。確認してから購入する事をおすすめします。
リプロダクト製品はこんな人にオススメ
デザインが好きだけれど、そんなに高い家具は買えない。という人にはリプロダクト製品で安く部屋をオシャレにしていけるのはメリットだと思います。
ブランドとかこだわらないよ、という人にオススメです。
こんな人にはオススメしない
オリジナルである事への拘りとか、デザイナーのヒストリー、ブランドが気にる人には、リプロダクト製品をオススメしません。正規品のオリジナルデザインを購入する方が満足度が高いと思います。
個人的な意見と感想
リプロダクト製品に関して色々な解釈と意見があると思います。
個人的にはリプロダクト製品に対して、肯定・否定。どちらでもありません。人によってメリットだと言えますし、人によってはリプロダクト製品を買う事をおすすめしません。
ただ、あまりにもリプロダクト製品が普及してしまうと、オリジナルの持つブランド力や憧れ、みたいな物が弱まってしまうなと感じています。
リプロダクト製品を使ってる事を知らない人も居る
世の中にはリプロダクト製品だと知らずに使用している人が沢山居ると感じています。
これがあまりにも酷くなると、例えばせっかくオリジナルのイームズを持っていても、「ああ、よく見る椅子ね、ウチにもあるよ」みたいな事が起きてしまいますよね。
オリジナルブランドの持っていた憧れやブランド力が薄れてしまうように感じて、個人的には寂しかったりします。
まあ、全員が家具に興味がある訳では無いと思うので、わかる人にはわかる、みたいなニッチな存在の仕方でも良いのかもしれませんが。
個人的には、『これはリプロダクト製品だよ、だから安いんだよ』としっかり伝えて販売していくモラルが販売者側にも必要だと思います。
オリジナル製品は基本的にクオリティは高いです
とはいえ、仕事柄沢山のリプロダクト製品もオリジナル品も実際に実物を見てきましたが、オリジナル製品のクオリティは基本的に高いです。
当たり前とい言えば当たり前ですが、オリジナルの価格の高さは製品クオリティにも反映しています。
安い物には安いなりの、高い物もには高いなりの。理由があるという事だと思います。
安心や満足感、といった物はオリジナルを購入した方が遥かに高いと思います。
まとめ
という感じでリプロダクト製品に関して、特徴や個人的な思いも混ぜながら買いてみました。繰り返しになりますが、リプロダクト製品自体は『良いも悪い』も無いと思っています。
購入者と販売者がリテラシーを持って扱っていきたいなと。思う次第です。